当法人クリニックで研修された研修医の先生のお声
山口先生 : 国立国際医療研究センター研修医2年 2017.10
研修に三育会を選んだ理由
都心の訪問診療に興味があったため。
実際に研修してみての感想
自分は出身から大学卒業までの長い間を広島県で過ごしました。実家はかなり田舎にあり、信号もしばらく見かけないし、コンビニまで歩けば15分以上、そんな所に住んでいました。大学4年生の時に短期海外留学を経験したことをきっかけに、広島県以外の土地に住むことを考えるようになりました。地方の医師偏在等の問題もあり、将来は広島に戻る事を考えています。
自分が医療者を志した理由の一つに、人の生き死にの場面に関わることがあります。どうしても、死ぬことは悪いことである、というイメージが自分を含めた世間一般に浸透している印象があります。死ぬこと自体は生き物として必然の事です。死ぬことを悪いこと捉え闘う対象とするのではなく、「もうこれだけ過ごせば、穏やかに死を迎えても構わない」そういった話についてもっと話したいと学生時代から感じていました。現在の社会状況を考慮すると、その考えと在宅医療は無関係ではいられません。新宿区という都会の中での在宅医療はどんなものか研修したかったのです。
4週間という短期間で感じた感想としては、想像していたよりも地方と都会で問題点や特徴が大きく変わらない事でした。強いて言えば、ヒロクリニック周辺の地区は大型病院が多数あり、有事の搬送先候補が多数あることは異なる点かと感じました。それよりも、独居であることや適切な医療機関や福祉サポートの介入がないことなど、重要な問題点は地方でも都会でも変わりません。
今後について
研修中に「在宅医療は電気ガスのライフンラインの様に全国に配置されるべきだと思う」とスタッフの先生がおっしゃっていたのが印象的でした。今後は医師として知識や技術の習得を継続しながら、また医療以外の見識について教えを請いながら医療者として成長していきたいと考えています。
私は、今後なにを専門分野にしていくのかなど、将来的にまだ決まっていない部分が多くあります。しかし、そういったような経験から知ることのできた学ぶべきことや、「苦しんでいる人に寄り添うことのできる医師」に近づいていくために必要なことを自分で探して学んでいくという目標を忘れずに将来に進んでいけたらと考えています。
最後になりましたが、この度はヒロクリニックの多くのスタッフの方々に本当に大変お世話になりました。
厚く御礼申し上げます。