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在宅医療20周年

東京がんサポーティブケアクリニック|広報誌かけはし

2016年夏号 vol.032

夏号

理事長より

医療法人社団三育会 理事長 英裕雄

いよいよ厳しい夏を迎えました。今年は梅雨の降雨も少なく、東京の水がめが枯渇しているということで、水不足が心配される中、厳しい暑さを迎えて、皆さま健やかにお過ごしでしょうか?

夏は熱中症や脱水を心配されて、水分摂取を増やされる方が多いですが、むやみな水分摂取は、むくみを増やしたり心不全の増悪を招くこともありますので、体重の増加などに注意しながら、適量の水分摂取を心がけていただければと思います。

また汗疹(あせも)などの皮膚疾患の増加や、エアコンなどによる夏風邪なども心配されます。ぜひお気を付けいただき、健やかな夏をお過ごしいただきたいと思います。

さて、昨今では、在宅医療の進展や、療養希望の多様化などで、様々な方の在宅療養の可能性が広がってきています。これまでは自宅療養は困難だと思われていたような重症患者さんでも在宅療養が可能になってきました。その中でも、がん患者さんの在宅療養を選択される方が急速に増加しております。

しかし他の病気の在宅患者さんに比べて、がんの患者さんは症状変化が著しく、治療や症状コントロールに専門的医療対応がいることなど、異なった対応が必要となります。

そこで三育会では、向山雄人先生を中心として、がん患者さんの在宅療養支援に特化した「東京がんサポーティブケアクリニック」を8月に開設することとしました。

場所は新橋、様々ながん治療病院に囲まれ、がん患者さんがいらっしゃりやすい立地を選ばせていただきました。

これまで三育会がはぐくんできた診療、看護、リハビリなどの多職種協働の体制や、24時間365日電話対応、往診体制を基盤に、向山先生を中心としたがん専門緩和チームのコラボレートにより、より濃密ながん在宅医療が可能になっていくことを期待しております。

ぜひご指導・ご鞭撻のほどなにとぞよろしくお願い申し上げます。

在宅の現場にて

東京がんサポーティブケアクリニック

臨床腫瘍学に魅せられて32年間、多くの方々のご支援の下、腫瘍内科医、がん緩和ケア内科医としてがん専門病院の外来、病棟の最前線で診療に従事して参りました。また、昨年の4月から、念願であったがんを中心とした在宅医療の分野に異動し、医療法人社団三育会 新宿ヒロクリニック在宅緩和ケアセンター長として診療に携わって来ました。この1年間、24時間365日の訪問診療を行う中で、患者さんとご家族の全人的ケアに関して一部の側面しか診ていなかったことに気付かされました。

今回、英裕雄理事長から「がんに特化したかかりつけクリニック」の拠点として新橋に開院する「東京がんサポーティブケアクリニック」の院長職を拝命致しました。今後、これまでの経験を活かし、各医療機関やがん患者会等の皆様方と連携させて頂きつつ、訪問診療と外来診療でがんに罹患した患者さんとそのご家族にきめ細やかなサポートを提供して行く所存でございます。

がん緩和ケア、がんサポーティブケア

がん緩和ケアの目指すゴールは、がんに伴うつらい症状を取り除き、患者さんとご家族が生活を楽しめ、穏やかな日々を過ごすことを可能にすることです。

今回のクリニックの名称にした、がんサポーティブケアのゴールも同様ですが、この名称は、抗がん剤治療などがん治療に対する副作用対策を含めた、腫瘍治療医に馴染みが深い領域と言えるでしょう。

2006年に制定された「がん対策基本法」とその後に策定された「がん対策推進基本計画」では、「患者とその家族が抱えるさまざまな苦痛に対し、全人的なケアを診断時から提供する」ことが強調され、緩和ケアは日本のがん医療政策の最重点課題の一つに挙げられています。

緩和ケアはがんと診断された時点から必要な医療ですが、多くの場合は「患者さんや家族が何らかの苦痛や心配を持ち、その解決が必要になった時が開始時期」と考えてよいと思われます。

病気の進行度やがん治療の過程などにかかわらず、あくまで患者さんの苦痛があるかどうかで判断することが大切です(図1)。

手術不能な非小細胞肺癌患者さんに対する米国の臨床研究では、抗がん剤治療開始と同時に緩和ケアを行うことで、Quality of Life(QOL:生活の質, 人生の質)向上効果と同時に延命効果もあることが明らかにされています(図2)。

すなわち、がん緩和ケアの役割は、「患者さんが、肉体的苦痛や精神的苦痛から解放され、日々を人間としての尊厳を保ちながら、心身ともに穏やかに過ごせるようにサポートする医療」とまとめることができるでしょう。

がん緩和ケアは、病院の外来や病棟、そして訪問診療・看護により在宅でも行われている医療です。

ただ、より質の高い「がん在宅医療」をいかに多くの患者さんへ提供できるか、今まさに黎明期にあると言えます。

「医療法人社団 三育会」は「東京がんサポートケアクリニック」を軸として新たな取り組みを開始します。スタッフ全員が皆さまと一緒に歩んで行けることを切に願っております。

在宅緩和ケアセンター長 向山雄人

編集後記

暑さも厳しくなってきましたが、およそ50年前の東京オリンピックの年は深刻な水不足に襲われたそうです。当時「東京砂漠」と呼ばれたそうですが、今年はその年の再来とも言われるくらいの状況だそうです。当時は東京オリンピック前にまとまった雨が降って結局、水不足は解消されたそうですが、今年もオリンピックの前までには、水不足の心配から解放されて、涼しい夏を過ごしたいですね。次回(秋号)は10月にみなさまのお手元にお届けの予定です。ご意見・ご感想などありましたらお気軽にお寄せください。

編集責任者/芝

   

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英裕雄医師(三育会理事長・新宿ヒロクリニック院長)×向山雄人医師(在宅緩和ケアセンター長)

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